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| 期限 | 要件 | 受給可能性 | 支給額 | |
|---|---|---|---|---|
| 助成金 | なし | 具体的 | 高い | 小さい |
| 補助金 | あり | 抽象的 | 低い | 大きい |
つまり、『助成金』は、要件を満たしていれば確実に受給できるものの額が低額であるのに対し、『補助金』のほうは、確実性はないが、当たれば大きいということになります。
以上のように、一般的には『助成金』『補助金』とごっちゃにされている公的給付金は大きく二つに分けられることが分かったかと思います(このような大きな違いを始めにきちんと説明している媒体を見たことがないというのが不思議ですが)。
さて、『助成金』と『補助金』どちらの公的給付金のほうが利用価値が高いということは一概にはいえません。上記の表のようにそれぞれ一長一短であり、各会社の状況によって大きく異なります。
ただ、一般的にどちらがよく利用されているかといえば圧倒的に『助成金』です(これは、通常、助成金といった場合、無条件に厚生労働省関係のものを指している現状からも分かります)。助成金については、受給したことのある会社も比較的多く、中にはいくつもの助成金を受給している会社も珍しくありません。
一方、『補助金』のほうは、かなりの金額を投資して研究開発を行う事業だけが対象となるため、コンペ方式で勝ち残れるのはごく一部の大企業や革新的なベンチャー企業だけとなり、一般的な中小零細企業が受給できるのは、残念ながら『助成金』だけということになってしまいます。したがって、出回っている情報も『助成金』が中心であり、また、ほとんどの会社にとってはそれで充分ということができます。
※『助成金』の財源は主に「雇用保険料の会社負担分」の一部が使われているため、そもそも、会社には当然にそれを受給する権利があり、財源が税金オンリーの『補助金』よりも受給しやすいのはある意味で当然のことといえます。
さて、助成金や補助金の利用を検討するうえで、一番注意が必要なのは、助成金・補助金どちらも、「取りにいく」ものではないということです。それらのお金は、わざわざ職場環境や事業内容を変えてまで受給するには値しないお金ではないということです。
なぜなら、どちらもあくまで「費用助成(要した費用の一部を補助)」である仕組みのため、不正でもしない限り、払ったお金よりも多くのお金を受給できることはあり得ないからです。
補助金のほうは支給額が大きいといっても、実際は、その何倍もの経費をかけて研究開発を行うことが前提であることを忘れてはいけません(厚生労働省関係の助成金には、一部、要件を満たしていれば、費用負担なしで受給できる助成金もあります)。
特に昨今、申請代行業者による“返済不要”を前面に出した助成金のPRが浸透しているためか、ここを勘違いして「経営が苦しいから助成金を利用しよう」と考えてしまう社長さんが結構いるのですが、上記の通り、それは大変な誤解です。
助成金は、文字通り漸進的企業へ“助成”するお金であり、あくまで「経営者の考え」と「国の考え」がマッチした時に「ついでに貰えるお金」と考えることが重要です。
とはいえ、せっかく国が大量に予算を投下して用意してくれているお金を、受給できるのに受給しないというのは非常にもったいない話です。特に、助成金のほうは、受給要件を満たしていれば、申請さえすれば受給できるわけですので、あえてこれを利用しない手はありません。事実、助成金の要件に該当しているものの、経営者が制度を知らないばかりに“受給漏れ”となっている例は非常に多いのです(助成金を利用したことのある会社は何度も助成金を受給しているのに、制度を知らない会社は全く受給できないという二極化の実態があります)。
さて、個人への年金と同様、政府からのお金は申請しない限りもらえることはありませんので、まず情報を手に入れることが重要です。仮に、助成金の要件に該当していても、基本的に国からの案内は一切ないからです(年金申請の例をあげるまでもなく、政府というのは、せっかく用意した制度であるのに、それを積極的に広めようとはしません)。ただ、実は、ある意味で最もやっかいな部分が「いかにして正確な情報を手に入れるか」という部分なのです。
『助成金』『補助金』ともに、頻繁に改正や新設が行われているにもかかわらず、それぞれの外郭団体が独自に管理しており、(政府の組織がタテ割りのため)全ての情報を一括して纏めている機関が存在しないからです。要件を満たしてさえいれば確実に受給できるはずの『助成金』も、かなりの数の会社が“もらい忘れ”をしている実態から分かるとおり、各助成金の要件を全て把握するのはかなり困難であるのが実情です。
それは、
これらの情報を自分で全てかき集めようとするとかなりの時間と手間を要してしまうので、専門家を利用するのが最も効率がよいでしょう(通常、情報提供までは無料でやってくれるところが多いです)。
『助成金』については、助成金に強い社会保険労務士(比較的若い社労士さんが多いようです)であれば一括した情報を持っていますので、それを利用すれば効率的に情報を手に入れることができます。助成金には、役所が発行するリーフレットだけでは絶対に分からないような情報がたくさんありますので、できるだけ助成金に精通している社会保険労士を探すことがポイントです。
一方、『補助金』については、管轄団体が『助成金』よりもさらに複雑多岐にわたっており、大手のコンサル会社でも全ての情報を手に入れることは不可能であるのが実情です(社会保険労務士や中小企業診断士の中には『補助金』まで取り扱っている方も稀にいますが、それでもごく一部のものしか扱っていないようです)。したがって、補助金が受給できそうな研究開発を行なう際には、複数の補助金専門のコンサル会社に情報を求めるのがよいでしょう。
『助成金』については、基本的に書類申請のみであり、助成金の要件に該当していることを証明する書面をきちんと整えることが最も重要です。ただ、かなり多くの添付書類を要求されるものがほとんどであり、また、申請書類の中には作文形式のものもあり、申請するのは大変な作業となります。さらに、近年、不正受給が増えていることから、窓口でもかなりうるさくチェックされるようになっています。
| <参考> |
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必ずしも役所のパンフレット記載の全ての書類を完璧に揃える必要があるわけではなく、どうしても揃わない書類があったとしてもあきらめる必要はありません(ここが素人と専門家の大きな差です)。助成金は、書類に対して支給されるのではなく、あくまで実態に対して支給されることが建前であるからです。 実際は、すんなりと全ての添付書類が揃うことのほうが珍しく、各種申立書(既定の書類が揃わない場合や内容に問題がある場合にその言い訳を書いたもの)が必要になることがほとんどです。書き方や内容については、完全に申請者の自由であり、実態を何らかの書面で証明できればよいわけです。
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実際の申請方法としては、大きく分けて、[A]自社で処理する [B]外部に委託する という2通りになります。
自社で処理する場合は、基本的には「社長」本人が申請することになります(助成金の申請に必要な添付資料には、従業員に見られたくないものが含まれることもあるでしょう)。外部に委託する場合は、「社会保険労務士」に委託することになります(法令により、他社の『助成金』の申請を代行できるのは、社会保険労務士のみとされています)。
どちらがいいのかは一概には言えませんが、通常、助成金の申請は、何度も役所に足を運ぶことになるので、忙しい経営者にとっては難しいというのが実情でしょう(現状、全ての助成金が、郵送処理不可となっています)。また、ノウハウのある社会保険労務士に委託すれば、申請が通る可能性がアップしますので、検討する価値はあるといえるでしょう(不正受給をするということではなく、あくまで実態に即した形をとりながら、役所が好む形に書類を整えてくれます)。なお、申請代行手数料については、社労士により様々ですので、複数の社労士に報酬を聞いてみるのもよいでしょう。多くの社労士は、完全成功報酬制(会社に助成金が支給されたのを確認後、入金額の一部を報酬として支払い)で受託しているようです。
一方、『補助金』については、書類審査に加えて、プレゼン(面接審査)を要求されるものがほとんどであり、その事務量は膨大なものとなります。こちらも、『助成金』と同様、自社で処理するか外部に委託するかということになりますが、補助金の申請代行を行なっている機関はまだまだかなり少ないのが実情です(『補助金』については社会保険労務士でなくとも申請代行をすることができます)。また、会社独自の研究開発事業のプレゼンテーションを外部機関に委託することは、情報漏洩という観点からだけでなく、その専門性ゆえにかえって連絡事務が煩雑になることも多く、あまり有用とはいえないのが実情です。
※このページは、以前、某所において弊事務所が行なったセミナーのレジュメをテキスト化したものです。
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